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第242回 「これ以上ない尊い時間」林つぐみ(3年)

2026/10/29
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水泳、池江璃花子選手の『情熱大陸』と『バース・デイ』を見て、アスリートにとって本当に必要なものは何なのか、そして自分はなぜウインドサーフィンを続けているのかを、改めて考えてみました。
 番組の中で特に印象に残ったのは、池江選手の「努力した分だけ結果が出るわけじゃない。だけど自分が努力したかを考えている時点で、自分は果たして死ぬ気で努力をしてきたのか」という言葉です。私も結果が出ない時、「もっと努力しなければ」「まだ努力が足りない」とばかり考えてしまうことがありました。けれど、努力できているかどうかを考えること自体が目的になってしまえば、本当に競技と向き合えているとは言えないのかもしれません。だからこれから大切にしたいのは、「自分は努力できているか」と問うことではなく、今この瞬間、競技にどれだけ真摯に向き合えているか、毎日を本当に全力で過ごせているか、ということです。結果は自分の努力だけでは決められません。それでも、「向き合い方」だけは自分でコントロールできます。だからこそ、そこには妥協したくないと思いました。
 もう一つ心に残ったのが、「どんなに水泳が無理だと思っても、水に入った瞬間に嫌いとは思えない」という言葉です。もう無理だと思う瞬間があっても、根本に「好き」という気持ちがあるから続けられる。「好きこそものの上手なれ」とは、こういうことなのだと思います。競技を続けていると、怪我をしたり、結果が出なかったり、自分より速い選手を見て力不足を感じたりすることもあります。それでも、最後に自分を海へ向かわせてくれるのは、義務感や周囲からの期待ではなく、「ウインドが好きだから」という気持ちです。
 そして、池江選手の姿を見て最も強く感じたのは、逆境を乗り越えた後もなお、全盛期の自分と少しずつ離れていく現実に向き合いながら、競技を続けている強さでした。一度大きな壁を越えたからといって、すぐに以前の自分に戻れるわけではありません。それでも、命を削る思いでトレーニングを続けるその姿を見て、自分の競技への気持ちを改めて確認させられました。

 では、池江選手はなぜ強いのか。何があっても弱音を吐かないからでも、常に自信に満ちているからでもないと思います。悔しさや不安、苦しさ、さまざまな感情がありながら、それに左右されることなく、「自分はなぜ競技をするのか」「何のためにここにいるのか」という軸がぶれない。それが強さの正体なのではないでしょうか。これは、私たち大学生アスリートにも同じことが言えると思います。大学で競技ができる4年間は、長いようで短い時間です。毎日海に出て、練習して、遠征して、レースをして、悔しい思いをして、それでもまた海に出る。なぜそこまでしてウインドサーフィンをするのか。もちろん、日本一になりたいからです。インカレで勝ちたい。チームとして日本一を取りたい。自分自身も、最後まで高いレベルで戦い続けたい。でも、理由はそれだけではありません。一つのことに本気で向き合った4年間にしたいからです。楽な道を選ぶのではなく、苦しい時にも逃げず、自分で決めた目標に挑み続ける。その過程で仲間と喜びや悔しさを分かち合い、支えてくれる人への感謝を知る。そうして過ごした4年間は、たとえ最後の結果が思い描いたものにならなかったとしても、きっと自分の人生に残り続けるものになると思います。

 そして、この4年間は自分一人だけのものでもありません。かつて先輩たちの背中を見て「もっと強くなりたい」「このチームで勝ちたい」と思ったように、今度は自分たちの姿を見た後輩が、「この部活で4年間本気でウインドをやりたい」と思ってくれたら嬉しいです。先輩から受け取ったものを、今度は自分たちが後輩へ渡していく。だからこそ、結果だけではなく、どんな姿勢で競技に向き合うのかを大切にしたいと思っています。
 後輩のみんなにも、4年間の中で、うまくいかない時や辞めたくなる時がきっと来ると思います。そんな時は、なぜウインドを始めたのか、なぜこの部活にいるのか初心を思い出してほしいです。「この競技が好き」という気持ちは、どれだけ苦しい時でも、自分を前に進ませてくれるはずです。
 私自身も、残された時間をただ「練習する」のではなく、一日一日を競技人生の一部として大切にしていきます。

「自分が決めたことだから、最後までやり切る。」

 4年間を終えた時、結果だけではなく、「この4年間、本気で生きた」と胸を張って言えるように。残された時間、仲間とともに、日本一を目指して挑み続けたいと改めて思えました。

引退前ブログのような書きぶりになってしまいましたが、引退まであと一年半、みっちりウインドサーフィンを頑張ります!

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